2008年4月28日 - 日伯交流年・ブラジル移住100周年記念式典

日伯交流年兵庫県実行委員会・委員長 西村正の挨拶

皇太子殿下、ご列席の皆様、 本日、「日伯交流年・ブラジル移住100周年記念式典」をこのように盛大に開催できますことを、日伯交流年兵庫県実行委員会委員長として、大変嬉しく思います。

1908年(明治41年)4月28日午後5時55分、歴史に残る第1回ブラジル移住船「笠戸丸」が神戸港を出航し、ブラジル移住の歴史が幕を開けてから、今日でちょうど100年になります。現在、神戸港の一隅、広い海を一望できるメリケンパークには、「希望の船出」と名づけられた親子の像が立っています。希望と一抹の不安が入り混じったまなざしで水平線の彼方を見つめる、若き移住家族の像です。神戸は、まさに25万人におよぶ移住者にとって、日本での最後の日々を過ごした思い出の地でありました。

日本からブラジルに渡った移住者とその子孫の皆さんは、ブラジル社会の発展に大きく貢献するとともに、日本人の勤勉さを広く伝え、日本の名声を高めてこられました。今やブラジルの日系人社会は150万人規模へと拡大し、日系6世が誕生するまでになっています。祖国を離れ、不屈の精神のもと困難を乗り越え、このような立派な日系社会を築いてこられた皆さんのご努力に、改めて深い敬意を表する次第です。

さて、グローバル化時代を迎え、世界的な人の往来がこれまでになく活発になる中、国際間の協力関係をいかに築くかということが喫緊の課題となっています。このような中、幸いなことに日本とブラジルには100年にわたって先人達が築いてきた友好の礎があります。
日伯交流年で行われる交流事業を通じ、この友好関係が一層揺るぎないものとなることを心から願うとともに、次の100年に向けて、若い世代を含めた多くの方々に両国間の交流に対する関心を高めていただき、友好交流の新たな歴史を刻んでゆけることを願っております。

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